Abstract / Summary
誤嚥性肺炎は高齢化に伴い増加しており,日本における主要な死因の一つである。近年では,誤嚥性肺炎は独立した疾患ではなく,市中肺炎や院内肺炎と連続する病態スペクトラムとして理解されている。本稿では,誤嚥性肺炎と化学性肺臓炎の病態生理の違いを整理した上で,起因菌と抗菌薬選択について概説した。従来は嫌気性菌の関与が重視されてきたが,近年では好気性菌やグラム陰性桿菌が主要な病原体であり,routineの嫌気性菌カバーの有用性は限定的と考えられている。抗菌薬選択では,発症環境,重症度,薬剤耐性菌リスク,口腔内環境などを総合的に評価する必要がある。特にアンピシリン・スルバクタムとセフトリアキソンの選択は,それぞれの抗菌スペクトラムや臨床的特性を踏まえて個別化すべきである。また,ペニシリンアレルギーの適切な評価は,抗菌薬適正使用の観点からも重要である。誤嚥性肺炎診療では,抗菌薬治療に加え,嚥下機能評価や口腔ケアを含めた包括的介入が求められる。
Topics
Nosocomial Infections in ICUaspiration pneumoniaantibioticsantibiotic therapypneumonia treatmentOpen access